冷めたナイフ

「先輩・・・裏切ったらこのナイフで刺しますよ。」
乾との情事の後海堂は乾が護身用で持っていたナイフを持ち出し素肌の乾に押し当てた。
「怖いな〜裏切らないよ・・・海堂が一番だよ。」
乾は海堂を抱き寄せて額に優しくキスをした。


そんな話をしたのはいつだったのだろうか・・・
今海堂は手を真っ赤に染めて・・・ナイフを握り締めていた。
乾は片腕に手をあて流れる血を必死に抑えていた。
「乾先輩が・・・・いけないんだ・・」
海堂は気が動転してしまい涙を流しながら震えていた。
「大丈夫だから・・このぐらいなら・・・」 何とか海堂を落ち着かせ乾は自分で傷の手当てをしまだ震えていた海堂の横に座った。
海堂はそのまま何も言わないまま乾に抱きついて小さな声で乾に謝った。
「大丈夫だから・・・」
最近の海堂は少しおかしかった・・・。どう見ても情緒不安定だった。
部活でも乾の姿が見えないと海堂は必死に見つかるまで探した。
そんな症状が出始めの頃はみんなに愛されてるね〜などからかわれたりしたが・・
日に日に海堂の症状が酷くなった。
もうそれは笑い事ではないぐらいにまでなって来ていた。

放課後になれば部活が始まる海堂は急いで向かった。
部室にはまだ乾がなく、始まるまでに少し時間があったので海堂も軽い柔軟などをして乾を待っていた。
時間になっても乾は部活に姿を見せず落ち着きを失った。
練習が好きな海堂が練習をほったらかしてコートをさ迷い・・・
それでも乾の姿を見つける事が出来なかった海堂は・・・フラフラと外に出てしまう。
おかしいと思ったのが不二だった。
直ぐに海堂の元に行き海堂の手を掴んだ・・・
「何処行くの?」
振り返った海堂を見て不二は言葉を失う。
目の焦点が合っていない・・・海堂の視界には不二は入っていない様子だった。
「乾探してるの?」
乾と言う言葉に反応してやっと海堂は不二を視界に捕らえる。
「何処ッスか・・・」
「日直だから遅れるって言ってたからもう来るはずだよ。」
不二の言葉を聞いて海堂は落ち着きを戻す。そして海堂はコートに戻ったが・・・
「乾・・・海堂危ないよ・・・」
いつの間にか来ていた乾に不二は忠告をして自分も練習に戻った。
そんな事が何度か続けばもう海堂を見て見ない様になっていた。
あえてレギュラー陣が何とか危なっかしい海堂を見守っていたが。
海堂は乾にしか心を開かない。

それでも乾は海堂が可愛くて自分だけに懐いて・・・心も体も許してくれた事が嬉しくて心から海堂を愛した。
海堂は乾の絶対的な愛情の中で甘やかされていた。

気が付けば海堂は乾にもたれて寝息をたてて寝てしまい。
傷つけられた腕で海堂を抱き上げてそっとベッドに寝かした。
「海堂をこんなにしてしまったのは・・・俺のせいなんだろうな・・・」
綺麗な黒髪を撫でながら乾は一人呟いた。
元々人と馴れ合うのが苦手な海堂に暖かい手を差し伸べて離さなくさせたのは乾。
海堂は今までの人生が変わってしまったかの様に本当に変わってしまった。
ここまでになってしまうとは乾も考えが甘かったのかもしれない。

乾とは学年が違う・・・その事がまた海堂を悩ませる。
授業中も今乾が何をしているのか・・・考えるのは一人の男の事ばかり。
自分でもこんなになってしまうなんて・・・
そんな自分の気持を抱えながらも海堂は乾を求める。
その日は偶然渡り廊下で乾を見かけて海堂は嬉しくなってしまい次の授業の事など忘れて乾の後を追いかけた。
乾はそのまま廊下を横切り体育館裏に向かっていた。
こんな時間になんで?と思ったが海堂はそのまま追いかける。
一定の距離を保ち乾にそっと近寄ろうとした時に乾以外に誰かいるのが分かった。
声がした。女お声が・・・
「ごめんね・・こんな所まで呼び出して。」
乾に気づかれない様に隠れてその様子を見た。
「話なら手っ取り早くしてくれないかな?」
「相変わらず冷たいね・・」
「親しくない人になんで優しくしなくちゃいけない?」
海堂も聞いたことがないほど冷たい声・・・。
思わず背筋がぞっとした。
「そうか・・・なんかそれ聞いたらもう私ダメだな〜この間の返事聞きたかったんだ・・」
「あぁ、その事ね・・・悪いけど、好きな人いるから。それだけならもう帰るよ?」
「あ、うん・・ありがとう。」
一部始終見ていた海堂は乾が言った好きな人とは自分の事だと確信していて改めて聞くと嬉しくて堪らないが・・・乾に告白をして来た女の事が許せない。
「俺の先輩なのに・・・あの女・・・許せねぇ・・」
物陰から乾に告白した女の顔を覚えた。
乾が先にその場を離れたので海堂は身を隠し女が動き出したと同時に後を追いかけた。
女は海堂に気づかず急いで戻る・・・そして
「3年かよ・・乾先輩と同じクラス・・・ムカつく・・」




何だか話がどんどん違った方にいってる気がします。
ここまで来たら今更変更は出来ない・・・。
頑張ってこのまま書いてみよう。
どうなるのかな〜〜〜
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