囚われの人


ある日海堂は大学のサークルから帰る途中で拾い物をした。
練習がてらにランニングをしていつもの公園を通り抜けようとした。
外は星が綺麗で見上げると上から降って来るような気がした。
海堂は少しゆっくりな速度で走っていた。
いつもは見逃しそうな場所・・・・。
公園でも端っこにあるベンチ・・・・・
外灯もなく暗くなってしまったら見えない場所・・・
海堂はなんとなく見てしまった。
目を凝らしてじっと見た・・・
「人が・・・いる・・・」
ベンチには確かに人の姿が浮かび上がっていた。
海堂の視線に気づいたのかベンチにいた人影が不意に立ち上がり海堂の方に歩いて来る。
とっさに海堂はこの場所から離れようとしたが・・・・どうしても足が動かなかった。
人影は確実に海堂に近づく。
後、2.3歩の所で海堂はやっと足が動き出した。
「待って!!」
声の主が海堂を呼び止めた・・・海堂もその声に反応して止まってしまった。
なんだか・・・とてもその声は心地いいその声が海堂の心に染み込んだ。
「オレ・・・ッスか・・・」
「うん、そう君を呼んだ。」
近づいた男は背が高くて・・・変な眼鏡をしていた・・・。
でも・・・その声は耳から離れない。
「なんですか・・・」
「ごめんね、急に呼び止めて・・・君が気づかなければ声をかけなかったんだけどね。」
「あんだよ・・・オレが悪いのかよ・・」
この言い方に少しムっとした態度をとった。
「あはは〜悪くないよ〜ちょっと話聞いて欲しくて。」
話を聞いて欲しい?その言葉で海堂は何か勧誘されるのではないかと思った。
「そんなに怯えないで欲しいんだけど・・・」
男は頭をポリポリかきながら少し困った顔を見せる。
その仕草が妙に可笑しかった。
「笑ったね・・・可愛い顔してるんだね。」
「ッバ・・バカ・・じゃねぇ〜の・・・」
言われなれない言葉に焦る海堂・・。
「確かに可笑しいね〜君の言う通りだ。」
薄暗い公園の中、なんでこんなヤツと話してるのだろうかと考えていたがそれはこの男があまりにも人懐っこく話しかけて・・・
海堂は今までこんな風に話しかけてもらった事がなく、そのせいか海堂自信もこの男に対して警戒心をなくしていた。
「可笑しいついでに・・・言っちゃうとね・・今晩泊めて欲しいんだけど・・」
「っはぁ〜〜??」
いったに何を言い出すのかと思い・・海堂はもう一回聞き直した。
もしかしたら自分の聞き違いかもしれないと・・。
初対面の男に言われる言葉ではない。
「今晩泊めて欲しいって言ったんだよ。ここで知り合ったのも何かの縁だしダメかな?」
「あんた何言い出すんだ!!当たり前だ!!なんで止めなきゃいけないんだ。」
それは当然の事で海堂が間違った事を言っている訳でもない。
「普通はね・・・しないね〜でも、君は止めてくれる絶対に・・・」
男は立ち上がり海堂の前に立った。
びっくりしたのは海堂だった・・・男ははるかに自分より背が高く・・・表情を隠していた眼鏡を外してニッコリと笑った。
(ヤバイ!!)海堂の心の中で赤信号が点滅した・・・。
「君、好きでしょう・・・」
ばれていると思い海堂は目線を外す。
そう、海堂は同性愛者・・・・今まで好きになったのは男ばかり・・・そして今・・・
海堂の理想が目の前に立っていた。
心臓がドキドキしてちゃんと立っているのかさえ分からない。
「俺、乾貞治・・・いちよこれでも国立の大学生・・・多分・・俺も君に一目惚れかな?」
名前を名乗られそんな事を言われたら海堂には断る事が出来ない。
今まで好きになっても言葉にして言えなかった。もちろん言ってもらった事もない。
海堂はこの乾に既にのめり込み始めていた。




前に途中まで書いてあったのを発見!
なのでこちらもUP!!掛け持ちになってしまいますが・・・
何とかやってみます。
この話って・・・あるビデオに影響されてしまった時に書いたのかな〜〜。
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