冷めたナイフ 4話

珍しく休みが出来た日曜日。
海堂とデートの約束をしたので乾は待ち合わせの場所に向かった。
いつも海堂を待たせてばかりなので今日は早めに出て海堂を待ってみようと思い人込みを駆け抜け急いで走った。
海堂が好きだと言ってくれた素顔・・・だから今日はコンタクトにした。
人より大きな身長のせいで乾はどうしても目だってしまう。
本人にはそんな事気にしていないが・・・
「あれ??乾・・・君?」
一旦通り過ぎたはずの女性が声をかけた。
乾は直ぐにクラスメートだと分かり簡単に声をかける。
「何!!!そんな顔してたの!!明日から眼鏡しない方がいいよ〜〜」
「とんでもない・・・素顔は好きな人が知ってくれればいい。」
「わぁ〜〜〜惚気??言ってくれる〜〜〜」
そんな乾を少し離れた所から見ている海堂がいた。
乾はもちろん気づいていない・・・・

「誰だ・・・あの女・・・オレの先輩に話しかけて・・・」
海堂は直ぐに乾の元にはいかずに暫くその様子を見ていた。
女がたまに乾に触り笑う・・・その度に海堂は心の何処かでどす黒い何かが湧き上がって来る感じ取る。
海堂の中で乾に近づくのは全て敵なんだと・・・気づく。

「じゃ!お幸せに〜〜」
「ありがとう。」
乾がまた一人になった時に海堂はやっと乾の元に近づいた。
「乾先輩。」
「海堂!!」
「何で今日は・・・早いんッスか・・」
何だか海堂の機嫌が悪い事に気づいた乾は直ぐにさっきのクラスメートの事を思い出す。
「見ていたの?」
「ッス・・・」
「声かけてくれればいいのに・・・」
「先輩・・・笑っていたから・・」
「好きな子の話しをしてたら顔がね・・・緩んじゃうよ。」
海堂を見下ろして素顔のまま笑いかけたら海堂はもう何も言えなくなってしまう。
「ずるいッス・・・その顔で笑わないで・・」
乾の服の裾をギュッと握り締めてやっとデートが始まった。

乾とのデートは時間が足りないぐらいに楽しかった。
海堂には幸せの時間だったが。
頭の何処かで朝乾と離していた女の存在が気になっていた。
乾が海堂を自宅に送る途中海堂が口を開く。
「乾先輩・・・朝の人誰だったんッスか?」
この言葉に乾はこの前の出来事を思い出した。また・・・あの時の様になってはいけない。
乾はとっさに嘘を付いた。
「知り合いの人だったんだ・・・近所の。」
「・・・・そうッスか・・・近所の・・・」
とっさに出た嘘だったが乾はいつもの様に表情を壊す事のなく海堂に微笑んだ。
そして外灯の影に隠れて海堂を抱き寄せてそっと唇にキスを落とす。




かなり間が・・・ごめんなさい。
やっと更新出来ました〜〜それでも内容が・・・
進展していない・・頭が・・・上がりません。
今回はこれで〜〜許し下さい。反省・・・。
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